肝胆膵第81巻第1号
DAA治療は肝癌患者の生命予後を改善する
電子書籍のみ
- 安田 諭，他（大垣市民病院）
- 発行日：2020年07月28日
- 〈要旨〉
発癌後のC型肝炎ウイルスに対する抗ウイルス治療は，DAAによる治療もIFNを基本とした治療と同様に生存期間を延長し肝癌再発も抑制する可能性があり，現在日本では肝癌根治的治療の症例に限り，DAAによる抗ウイルス治療が認められている．日本，米国，韓国，台湾の8施設における発癌後のC型肝炎ウイルスに対する未治療群とDAAによりSVRを達成した群との比較で，DAAによるSVR群において生存期間の改善を認めた．本検討では根治治療以外のTACEやソラフェニブなどのPalliativetreatment後の患者でも生存期間の延長を認めており，C型肝炎患者においてはほかのHCC治療と同様の位置づけで抗ウイルス治療を検討する必要がある．
詳細
Cure with interferon-free direct-acting antiviral is associated with increased survival in patients with hepatitis C virus-related hepatocellular carcinoma
安田 諭＊1 豊田 秀徳＊1 Mindie H. Nguyen＊2
＊1大垣市民病院消化器内科
＊2スタンフォード大学消化器内科