肝胆膵第81巻第1号
日本のHCVはどこまで駆除されたのか-本邦におけるDAA治療症例の変遷-
電子書籍のみ
- 是永 匡紹,他(国立国際医療研究センター)
- 発行日:2020年07月28日
- 〈要旨〉
わが国のgenotype 1(GT-1)/C型慢性肝炎に対して2014 年9月よりNS5A阻害剤ダクラタスビル(DCV:daclatasvir),NS3/4プロテアーゼ阻害剤アスナプレビル(ASV:asunaprevir)の2種類の経口抗C型肝炎ウイルス(HCV)剤が使用可能となり,約5万人以上に使用された.その後,2015年7 月にNS5A阻害剤レジパスビル(LDV:ledipasvir)と核酸型NS5Bポリメラーゼ阻害剤ソホスブビル(SOF:sofosbuvir)2種類の薬剤が合剤となったハーボニー®配合錠がGT-1に対して製造販売承認され,8 月31日には1 錠8万171 円30銭で薬価収載された.後発薬も承認され,HCV排除(SVR)率も95%以上である.肝臓専門医にとって,C型肝炎に対する直接作用型抗ウイルス薬(DAA)は,自信をもって患者に「勧めたい」治療薬である.本稿では,わが国のC型肝炎に対するDAA承認(表1)の歴史を振り返り,残された課題を考察する.
詳細
How much Japanese patients with HCV has been eradicated –changes in DAA for HCV in Japan–
是永 匡紹 考藤 達哉
国立国際医療研究センター肝炎・免疫研究センター肝炎情報センター