臨床精神医学第51巻第8号

社交不安症に対する認知行動療法の効果─脳機能画像研究の知見から─

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  • 平野 好幸・他(千葉大学)
  • 発行日:2022年08月28日
  • 〈抄録〉
    本稿では,社交不安症のfMRI研究において,特に認知行動療法の治療反応性に関連する脳部位を探索した研究を紹介する。社交不安症の病態生理に関連する神経基盤として,これまでは情動応答性に関連する扁桃体,島皮質,海馬および前帯状皮質といった辺縁系とそれらのコントロールを司る前頭前皮質との関連に注目がなされており,その関連領域での構造的・機能的異常が明らかにされた研究が多かった。近年の治療効果予測に関するfMRI(functional magnetic resonance imaging)研究を概観すると,背側・腹側の後頭側頭領域や,背外側前頭前皮質が認知行動療法による治療効果と関連することが明らかとなってきており,また安静時の機能的なネットワークの変化についても多くの知見が明らかとなってきている。今後,大規模研究や新規の解析手法の開発により,認知行動療法による治療効果の脳科学的解明がさらに進むことで,治療法の改良や治療選択に有用な指標の開発が進む可能性が期待される。

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Treatment response to cognitive behavioral therapy for social anxiety disorder: insights from functional neuroimaging study
平野 好幸*1,2 薛 陸景*3,4
*1千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
*2大阪大学大学院大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
*3千葉大学医学研究院認知行動生理学
*4社会医療法人公徳会佐藤病院