臨床精神医学第51巻第8号

マインドフルネス認知療法とこころ・身体のメカニズム

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  • 佐渡 充洋(慶應義塾大学)
  • 発行日:2022年08月28日
  • 〈抄録〉
    マインドフルネス認知療法は,思考や気分を客観的に捉えるスキル(脱中心化)の獲得に主眼をおいたプログラムである。そのことを理解するために,マインドフルネス認知療法がどのような経緯で成立したのか,その過程を知る必要がある。このプログラムの開発者たちは,抑うつ気分に誘発された否定的な思考が反芻を始めることでうつ病の再発リスクが高まるという仮説をたて,これを防ぐための方法として脱中心化という概念を着想した。そして脱中心化というスキル習得のための方法として瞑想を活用することを考えた。このようにして成立したマインドフルネス認知療法であるが,脱中心化が再発予防に寄与するという彼らの仮説は最近の実証研究のデータによって裏付けられていることも明らかとなった。最後に,マインドフルネス認知療法における身体性について議論した。プログラムにおける身体感覚の扱われ方,脳科学研究の知見などから,思考や気分と同じように身体性も重要な役割を果たしていることが確認された。今後は,臨床,脳科学,双方の立場から効果機序に関する知見が蓄積されることが期待される。

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Mindfulness based cognitive therapy-mind and body
佐渡 充洋
慶應義塾大学医学部精神神経科学教室