肝胆膵第79巻第5号
新たな肝線維化マーカーの開発状況
電子書籍のみ
- 小川 浩司,他(北海道大学)
- 発行日:2019年11月28日
- 〈要旨〉
慢性肝疾患においては非侵襲的に肝線維化診断が求められており,肝線維化マーカーが開発されている.既存の肝線維化マーカーとしては血小板,ヒアルロン酸,Ⅳ型コラーゲン,プロコラーゲンⅢ型ペプチドが知られており,それらを用いたFIB-4 index,APRI,ELF scoreといった線維化予測式が使われている.さらに近年,Mac-2結合蛋白糖鎖修飾異性体(M2BPGi)やオートタキシンといった新規肝線維化マーカーが開発され,臨床応用されている.しかし,背景肝疾患や性差によりカットオフ値が異なるなど,測定値の解釈には注意が必要である.さまざまな肝線維化マーカーが測定可能となっているが,特性を理解したうえで使い分けることが重要である.
詳細
Development of serum biomarkers for liver fibrosis
小川 浩司 中井 正人 荘 拓也 須田 剛生 森川 賢一 坂本 直哉
北海道大学病院消化器内科