肝胆膵第77巻第5号

シリーズ 肝臓の病理形態の理解と診断へのアプローチ 好酸性細胞からなる充実性の肝腫瘍

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  • 中沼 安二(福井県済生会病院)
  • 発行日:2018年11月28日
  • 定義と特徴
    肝には,好酸性で豊富な胞体を伴う上皮性細胞あるいは類上皮性細胞epithelioid cellsから構成される充実性,索状の腫瘍が少なくない(図1).肝細胞癌が代表的であるが,非上皮性の腫瘍で類上皮細胞の形態を示す好酸性細胞から構成される腫瘍もある.転移性の肝腫瘍でも好酸性の胞体を有し,肝細胞癌と鑑別を要する例がある.これらの腫瘍では,同時に淡明な腫瘍細胞を混在することがある.これらの腫瘍は,HE染色やルーチンの染色のみでは,鑑別が困難な例があり,特に針生検では診断に難渋する.特殊染色,特に腫瘍に特異的に発現する物質を検出する免疫染色が有用である.好酸性の胞体の腫瘍細胞からなる代表的肝腫瘍と診断に有用な代表的な免疫染色と特殊染色を表1に示す.

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liver tumor composed of acidophilic cells
中沼 安二
福井県済生会病院病理診断科