肝胆膵第77巻第5号

組織亜型の臨床的診断方法−良悪性鑑別診断に役立つか−

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  • 喜多 絵美里,他(千葉県がんセンター)
  • 発行日:2018年11月28日
  • <要旨>
    膵管内乳頭粘液腫瘍(intraductal papillary mucinous neoplasm:IPMN)は病理組織学的に胃型(gastric type),腸型(intestinal type),胆膵型(pancreatobiliary type:PB),オンコサイト型(oncocytic type:OC)の4型に亜型分類され,そのうち胃型,腸型が80%を占める.診断には抗ムチンモノクローナル抗体を用いたMUC染色が有用であり,MUC1,MUC2,MUC5ACが主に用いられる.組織亜型のなかで胃型は分枝型の形態をとり,良性例が多く予後良好とされている.一方,腸型は主膵管型の形態を特徴とし,悪性率は高いが,進行はほかの亜型に比べ緩徐である.PB,OCは頻度は低いが悪性度も高い.特にPBは浸潤癌が多いとされ,予後不良である.このように組織亜型を術前に診断することができれば,切除適応の決定に有用な診断情報となりうると考えられる.われわれは膵液細胞診によって積極的にIPMNの術前組織亜型分類を行っており,切除標本との一致率は90%以上と良好である.今後,造影CTなど画像診断も含めた術前組織亜型分類がIPMNの治療方針決定に役立つことが期待される.

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詳細

Clinical assessment of histological subtype on IPMN –is it useful for the differentiation between malignant IPMNs and benign ones?
喜多 絵美里*1 山口 武人*1 高山 亘*2 伊丹 真紀子*3
石井 清文*4 池部 大*5 原 太郎*6
*1千葉県がんセンター消化器内科 
*2同 肝胆膵外科 
*3同 臨床病理部 
*4船橋市立医療センター消化器内科 
*5松戸市立総合医療センター病理診断科 
*6原診療所