臨床精神医学第47巻第3号

研究報告 措置入院となった精神障害者の治療転帰に関する後ろ向きコホート研究(その2)-措置入院患者の退院後の死亡リスクに関する検討-

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  • 稲垣 中・他(青山学院大学)
  • 発行日:2018年03月28日
  • 〈抄録〉
    【目的】措置入院患者の退院後死亡リスクを検証する。【方法】2010年4 月1 日〜2011年3 月31日に研究協力施設で措置解除された1,421人の措置入院患者を対象とする後ろ向きコホート研究データベースより,退院後に当該施設と1回以上接触を持った704 人を抽出し,退院後死亡リスクについて検討した。【結果】対象患者の性別は男性449 人,女性205 人,平均年齢は44.5歳で,全体の6割強を統合失調症圏(439人)が占めた。退院後の平均追跡期間は700.7日で,その間に37人の死亡が確認された。Kaplan-Meier法による対象患者の退院1年後死亡率は3.52%,厚生労働省の簡易生命表に基づく期待死亡率は0.315%であったので,標準化死亡比は11.2と推定された。同様に,統合失調症圏,および気分障害患者の標準化死亡比はそれぞれ8.6,14.6と推定された。【考察】今回の検討の結果,措置入院患者の退院後死亡リスクが一般の精神障害者の死亡リスクよりも著しく高い可能性が示唆された。

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詳細

Retrospective cohort study of patients with mental illness hospitalized compulsorily by prefectural governors (Part 2): Post-discharge mortality in patients with mental illness hospitalized compulsorily
稲垣 中1,2) 瀬戸 秀文3,4) 島田 達洋5) 小口 芳世6) 小泉 典章7) 吉住 昭4,8)
1)青山学院大学保健管理センター
2)青山学院大学国際政治経済学部
3)長崎県病院企業団長崎県精神医療センター 
4)国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部社会精神医学部門 
5)栃木県立岡本台病院
6)聖マリアンナ医科大学医学部神経精神経科学教室 
7)長野県精神保健福祉センター
8)医療法人社団翠会八幡厚生病院