臨床精神医学第45巻第4号
嗜銀顆粒病の診断と治療
電子書籍のみ

- 池田 智香子・他(岡山大学)
- 発行日:2016年04月28日
- 〈抄録〉
嗜銀顆粒病(AGD)は高齢者に多い4リピートタウの蓄積するタウオパチーである。病変は迂回回,扁桃核から海馬,側頭・前頭葉皮質に進展する。病変が高度な場合は認知症を高頻度に呈し,易怒性や幻覚妄想が目立つ例がある。病変が軽度から中等度の症例の一部は,認知症を欠く幻覚妄想状態を初老期以降に発症する。レビー小体病と類似の症候を呈するが,鑑別に123I-MIBG心臓交感神経シンチが有用な可能性がある。AGD脳では嗜銀顆粒の進展とともに進行性核上性麻痺病変が高頻度に形成され,尾状核,被殻,淡蒼球,視床下核,黒質におけるタウ陽性神経細胞の数,および尾状核,被殻,視床下核のタウ陽性アストロサイト病変の数は,それぞれAGD stageと正の相関を示す。一部の例で黒質や被殻にタウ病理が出現するが抗精神病薬への過敏性の有無は不明である。精神症状からAGDを疑った症例では眼球運動障害やパーキンソニズムの出現に注意すべきである。
詳細
Argyrophilic grain disease: clinicopathological features and diagnostic issues
池田 智香子* 横田 修*,** 長尾 茂人*,*** 三木 知子*,** 大島 悦子* 寺田 整司* 山田 了士*
*岡山大学大学院精神神経病態学
**きのこエスポアール病院精神科
***北野病院神経内科