臨床精神医学第45巻第4号

ゲノム解析による認知症の臨床・病態解明

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  • 原 範和・他(新潟大学)
  • 発行日:2016年04月28日
  • 〈抄録〉
    変性性認知症の発症にはさまざまな遺伝的な要因が関与する。メンデル遺伝を呈する家族性認知症は単一遺伝子の変異を原因とする。常染色体優性遺伝家族性アルツハイマー病(AD)の原因遺伝子としてAPP,PSEN1,PSEN2が同定されており,遺伝子解析により確定診断が可能である。家族性ADの発症前のバイオマーカーの変化が明らかにされ,その知見に基づいた発症前・予防介入治験が海外で始まっている。ゲノムワイド関連解析と呼ばれる一塩基置換の大規模解析により,日本人孤発性ADの感受性遺伝子としてAPOEに加えSORL1/LR11が同定されている。次世代シーケンサーが導入されて以降,レアバリアントと呼ばれる低頻度変異が認知症の新たなリスク遺伝子として次々と同定されている。アミノ酸置換を伴うレアバリアントは遺伝子機能に影響を及ぼすなど発症への寄与が大きい。遺伝的リスクは認知症の発症のみならず,疾患の経過,画像所見,検査所見,薬剤の反応性などに影響を及ぼすことが明らかにされており,その成果は実臨床にも波及していくことが予想される。

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Elucidation of pathogenesis and clinical presentation in dementia by molecular genetic analysis
原 範和* 春日 健作*,** 宮下 哲典*,*** 池内 健*
*新潟大学脳研究所遺伝子機能解析学
**新潟大学研究推進機構超域学術院
***トロント大学神経変性疾患研究所