臨床精神医学第45巻第4号
認知症の危険因子と防御因子
電子書籍のみ

- 小原 知之・他(九州大学)
- 発行日:2016年04月28日
- 〈抄録〉
福岡県久山町で継続中の追跡調査(久山町研究)も含めた国内外における認知症の疫学研究の成績によると,APOE-ε4遺伝子型,糖尿病,およびうつ症状は主にアルツハイマー病(AD)発症の,中年期および老年期の高血圧は血管性認知症(VaD)発症の,中年期から老年期への持続喫煙はADおよびVaD発症の有意な危険因子だった。一方,定期的な運動および野菜が豊富な和食に牛乳・乳製品を加えた食事パターンとADおよびVaD発症の間に有意な負の関連が認められた。国内外の追跡研究を集めたメタ解析では,低学歴は認知症,とくにAD発症の有意な危険因子であったが,久山町研究の成績では両者の関連は明らかでなかった。また,少量から中等量のアルコール摂取はADおよびVaDの発症リスクを有意に低下させたが,アルコール摂取が多量になるとその予防効果は消失した。
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Risk and protective factors for dementia
小原 知之 神庭 重信
九州大学大学院医学研究院精神病態医学