臨床精神医学第45巻第4号

血管性認知症の診断と治療

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  • 山﨑 貴史・他(秋田県立脳血管研究センター)
  • 発行日:2016年04月28日
  • 〈抄録〉
    血管性認知症(Vascular dementia: VaD)とは,血管障害に起因する認知症の総称で,認知症と血管障害の間に因果関係が存在するものと定義される。臨床経過や臨床像,画像診断にも画一的な所見がないことが特徴で,臨床経過,臨床像,画像診断や病理所見を包括して多様なVaDの病態を理解することが重要である。VaDの原因として最も重要な脳血管病変は脳梗塞であるが,梗塞巣のサイズや数と認知機能の関連性は単純ではなく,梗塞巣の局在や並存病変,さらには背景にアルツハイマー病(AD)病理が存在するか否かなどの要因と複雑に関連する。ADと脳血管病変は相補的に認知症を増悪させうるもので,一連のスペクトラムとして認識される。脳血管障害を予防することで,VaDの発症予防や進行抑制が可能と考えられている。中年期における血圧の厳格な管理や血清脂質管理は,VaDのみならず老年期のADの発症を抑制する可能性が示唆されている。血管性危険因子に起因する認知機能障害へ感心を寄せることがVaDに対する早期介入・治療への一助となると考えられる。

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Diagnosis and treatment of vascular dementia
山﨑 貴史 長田 乾
秋田県立脳血管研究センター神経内科学研究部