臨床精神医学第54巻第7号

精神科における感染対策の特殊性と戦略

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  • 糠信 憲明(広島国際大学)
  • 発行日:2025年07月28日
  • 〈抄録〉
    一言に精神科病床といっても病棟の構造や患者の疾患特性,スタッフの人員配置などの背景は実にさまざまである。また,入院生活だけでなく共同住居やデイケアといった地域生活支援施設の感染対策まで考慮する必要がある場合も少なくない。閉鎖病棟や隔離室では換気が難しいことに加え,出入りの際に用いる鍵も手指の細菌が付着することがあり,適切な手指衛生が重要であることは一般科と同じくいえることである。感染対策においては一方通行のコミュニケーションではなくconflict managementの視点を活用した双方向のコミュニケーションが重要である。感染対策を持続的に向上させるには評価指標となるベンチマークが必要であり,現在,精神科領域の感染制御を考える会ではJ-SIPHEを用いた試みを始め,個々の精神科病院での感染対策の知見や困りごとを共有する取り組みを進めている。精神科の感染対策は応用問題であるからこそ,基本は押さえつつも状況にあった工夫を大切にしたい。

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The features and strategy of infection prevention in psychiatry
糠信 憲明*1,2
*1広島国際大学看護学部精神看護学領域
*2一般社団法人精神科領域の感染制御を考える会