臨床精神医学第54巻第7号
インフルエンザ
電子書籍のみ

- 具 芳明(東京科学大学)
- 発行日:2025年07月28日
- 〈抄録〉
インフルエンザは冬季に流行する急性呼吸器感染症で,A型とB型があり,変異により再感染のリスクがある。高齢者や基礎疾患を持つ患者は重症化しやすく,特に精神科病棟のような閉鎖環境では集団感染(アウトブレイク)のリスクが高いため,注意深い観察と介入が重要である。症状は突然の高熱,強い倦怠感,頭痛,筋肉痛,関節痛などが特徴で,呼吸器症状や消化器症状を伴うこともある。診断は流行状況,臨床症状,迅速抗原検査などを総合して行われるが,精神科患者では症状が非典型的である場合がある。治療は発症後48時間以内の抗インフルエンザ薬投与と対症療法が基本で,重症化リスクの高い患者には積極的な投与が推奨される。感染対策としては飛沫予防策に加え,早期発見・隔離,職員の健康管理が重要である。予防にはワクチン接種が最も有効で,重症化予防に貢献する。精神科患者へのワクチン接種も積極的に推奨される。
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Influenza
具 芳明
東京科学大学大学院医歯学総合研究科統合臨床感染症学分野