臨床精神医学第54巻第7号

中枢神経感染症(髄膜炎,脳炎,脳膿瘍)

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  • 藤田 崇宏(北海道がんセンター)
  • 発行日:2025年07月28日
  • 〈抄録〉
    中枢神経系感染症は,多様な病原体による緊急性の高い病態で,早期の診断と介入が生命予後や認知機能の予後に直結する。主な病態は髄膜炎(くも膜下腔の炎症),脳炎(脳実質の炎症),脳膿瘍である。診断には,発熱・頭痛・意識障害などの病歴と身体所見の確認が重要である。特に髄膜炎・脳炎では髄液検査が不可欠で,髄液所見から病原体を推定できる。血液培養や多項目遺伝子パネル検査も活用される。治療は原因微生物に応じた抗菌薬・抗ウイルス薬の選択と適切な投与量設定が必須である。細菌性髄膜炎では肺炎球菌などが多く,医療関連感染では耐性菌の関与が考慮される。ウイルス性髄膜炎はエンテロウイルスが主だが,単純ヘルペスウイルスなどには特異的治療がある疾患を見逃してはならない。脳膿瘍では外科的ドレナージも推奨される。感染症法上の届出疾患に対しては公衆衛生上の観点からも速やかな対応が求められる。

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Central nervous system infection (meningitis, encephalitis, brain abscess)
藤田 崇宏
国立病院機構北海道がんセンター感染症内科〔