臨床精神医学第54巻第7号
COVID-19
電子書籍のみ

- 具 芳明(東京科学大学)
- 発行日:2025年07月28日
- 〈抄録〉
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,2019年末から世界的に影響を与え続けてきた。日本でも流行の波が繰り返された。特に精神疾患患者は症状悪化や社会的孤立の影響を受けやすいため,きめ細やかな対応が求められる。COVID-19の症状は多彩で,高齢者や免疫不全者では非典型的な症状が出現することもある。精神科ではせん妄などの精神症状の変化が初期兆候の可能性もあり,早期発見が重要である。診断は症状,疫学情報,検査結果を総合的に評価し,治療は抗ウイルス薬と対症療法が基本となる。精神科患者では薬物相互作用に特に注意が必要である。感染対策として標準予防策の徹底と感染経路の遮断が重要で,マスク着用などが困難な患者へは個別対応が求められる。予防にはワクチン接種と手洗い,換気などの基本的な感染対策の継続が不可欠である。精神科医療現場では,正確な知識と適切な対応が患者の身体的・精神的健康を守るうえで極めて重要である。
詳細
COVID-19
具 芳明
東京科学大学大学院医歯学総合研究科統合臨床感染症学分野