臨床精神医学第52巻第1号

アルコールと抑うつ

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  • 小林 桜児(神奈川県立精神医療センター)
  • 発行日:2023年01月28日
  • 〈抄録〉
    アルコール使用症と抑うつとは,抑うつが先行することも,アルコール使用に続発することもあり得るが,互いに密接な関係があり,両者の併存例も稀ではない。どちらも背景には小児期逆境体験が先行因子として確認されることが多く,抑うつ状態が媒介因子となってアルコール使用症へとつながりやすい。アルコールの使用をやめられない患者を理解する際には,その背景として小児期逆境体験から潜在的な他者不信が生み出され,結果的にアルコールだけにストレス対処手段が限定されてしまっている精神病理(信頼障害仮説)を想定すると,援助者側も陰性感情を回避し,治療関係を結びやすくなる。いまだコロナ禍が終わらない現在,孤立の進行によってアルコール使用頻度が高まることが懸念されており,表面的な不眠,不安,抑うつ症状の訴えの背後にアルコール使用症の可能性を検討する必要がある。

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Alcoholism and depression
小林 桜児
神奈川県立精神医療センター依存症診療科