臨床精神医学第51巻第10号

臨床につながる気分障害のモデルマウス─双極性障害のモデルマウスを中心として─

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  • 加藤 忠史(順天堂大学)
  • 発行日:2022年10月28日
  • 〈抄録〉
    うつ病モデルとしては,ストレスによるモデルが用いられている。強制水泳試験はモノアミンに作用する抗うつ薬のスクリーニングに有効であり,ストレスによるうつ病モデルはケタミンの開発につながった。一方,双極性障害のモデルマウスが創薬につながった例はない。双極性障害では確実な原因遺伝子が見いだされていないことがその一因であったが,最近のゲノム研究で有望な遺伝子が見いだされており,動物モデル研究が行われている。双極性障害を伴う遺伝病の原因遺伝子の変異マウスの研究は,双極性障害の神経細胞病態として過剰興奮性がかかわっている可能性や原因脳部位としての視床室傍核の役割などを示唆するとともに,双極性障害の治療薬の作用機序の理解につながっている。動物モデル研究の成果は少しずつ臨床につながり始めており,今後,さらなる双極性障害診療の進歩につながると期待される。

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Mouse models of mood disorders with clinical relevance -Focusing on bipolar model mice
加藤 忠史
順天堂大学医学部精神医学講座