臨床精神医学第50巻第10号
措置入院患者がCOVID-19陽性・疑似例となった場合の受け入れ体制の現状(その1)臨床指標的側面の検討
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- 小口 芳世・他(聖マリアンナ医科大学)
- 発行日:2021年10月28日
- 〈抄録〉
精神科医療機関におけるCOVID-19陽性/疑似例の受け入れ体制整備の実態と措置入院患者への対応を明らかにする目的で,精神科医療機関に対するWEBアンケート調査を行った。対象となった全国1,503の精神科医療機関のうち,248医療機関(16.5%)から回答を得た。このうち,措置入院患者を受け入れている202医療機関について精神科病院と総合病院に分けて比較したところ,精神科病院は総合病院に比して,身体疾患に対応可能な職員配置や感染症対策が十分に図られているとはいえず,COVID-19陽性/疑似例の受け入れ体制の準備が遅れている現状が明らかになった。一方で,本研究からは措置入院患者に特化した受け入れ体制にかかわる課題は見いだされなかった。今後の精神科病院においては,入院形態に関わらず,感染症を含む身体合併症に対応可能な体制の強化が急務であると考えられた。
詳細
Current status of the management system when inpatients admitted involuntarily by order of the prefectural governor become COVID-19 positive (No.1) consideration of clinical indicators
小口 芳世*1 小池 純子*2 瀬戸 秀文*3,4 稲垣 中*5 島田 達洋*6 藤井 千代*2
*1聖マリアンナ医科大学神経精神科学教室
*2国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所地域・司法精神医療研究部
*3福岡県立精神医療センター太宰府病院
*4国立病院機構肥前精神医療センター臨床研究部社会精神医学部門
*5青山学院大学
*6栃木県立岡本台病院