臨床精神医学第50巻第10号

統合失調症と双極性障害のアドヒアランスの現状

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  • 武田 俊彦(慈圭病院)
  • 発行日:2021年10月28日
  • 〈抄録〉
    統合失調症と双極性障害の治療では,長期にわたる向精神薬の服用が必要であり,服薬アドヒアランスの維持は疾患の経過に大いに影響する。種々の研究手法を用いても当事者の服薬状況を正確に把握することは困難だが,現在,多くの研究から両疾患の服薬アドヒアランスは,せいぜい40~50%程度と見積もられている。服薬アドヒアランスは,疾患やその治療,当事者の価値観などに属する多くの要因から複雑に影響を受け,流動的に変化し得るものである。現在,両疾患に関しては,乏しい病識,短い罹病期間,認知機能障害,精神作用物質使用障害,アドヒアランス不良歴,副作用,複雑な処方などが服薬アドヒアランスの不良と関係した要因であることが明らかになっている。一方,当事者と治療者との良好な関係性,薬剤による改善の自覚,当事者中心の薬剤選択,当事者を中心とした支援体制の構築などの要因に服薬アドヒアランスを好転させる可能性があることもわかってきている。

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Current status of adherence in schizophrenia and bipolar disorder
武田 俊彦
慈圭会慈圭病院