肝胆膵第85巻第5号
肝癌に対する肝移植-内科医の視点から-
電子書籍のみ
- 裵 成寛,他(東京大学)
- 発行日:2022年11月28日
- 〈要旨〉
内科医の扱う肝細胞癌(HCC)治療は,ラジオ波焼灼術・肝動脈塞栓術・肝動注化学療法・薬物療法・放射線療法など多岐にわたる.肝移植はすでに本邦で標準治療となったが,大部分の肝臓内科医は非移植施設にいることから,癌治療としての肝移植はいまだ浸透するに至っていない.肝移植は,HCCのみならず,背景肝すなわち非代償性肝硬変も同時に根治させる唯一の治療法である.近年,HCCの移植適応は,「ミラノ基準」に加えて「5-5-500基準」も併せて保険適用となり,治療対象患者が広がっている.内科医は治療機会を逸しないよう,肝移植の適応と動向には十分注意する必要がある.
詳細
Liver transplantation for liver cancer
裵 成寛 赤松 延久 長谷川 潔
東京大学医学部附属病院肝胆膵外科・人工臓器移植外科