肝胆膵第85巻第5号

非代償性肝硬変に対する肝移植-内科医の視点から-

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  • 玄田 拓哉(順天堂大学医学部附属静岡病院)
  • 発行日:2022年11月28日
  • 〈要旨〉
    非代償性肝硬変は,各種慢性肝疾患の共通終末像となる予後不良の病態である.現在の薬物療法による非代償性肝硬変患者の生命予後改善効果は限定的であり,長期生存を得る唯一の治療法は肝移植である.肝移植待機中の非代償性肝硬変患者では,原疾患としてのC型肝硬変が減少し,非アルコール性脂肪性肝炎が増加傾向にある.また,原発性胆汁性胆管炎と原発性硬化性胆管炎はともに慢性肝内胆汁うっ滞をきたす自己免疫性肝疾患だが,肝移植前後の予後は全く異なった特徴をもつ.Acute-onchronicliver failure(ACLF)は,肝硬変患者に新たな増悪要因が加わり出現する予後不良な病態であり近年注目を集めているが,ACLFに対する肝移植にはさまざまな未解決の問題がある.

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Liver transplantation for decompensated liver cirrhosis
玄田 拓哉
順天堂大学医学部附属静岡病院消化器内科