肝胆膵第85巻第4号
急性胆嚢炎に対する超音波内視鏡下ドレナージ-結石除去を含む-
電子書籍のみ
- 土屋 貴愛,他(東京医科大学)
- 発行日:2022年10月28日
- 〈要旨〉
近年,急性胆囊炎に対する新しいドレナージ法として超音波内視鏡下胆嚢ドレナージ術(EUS-guided gallbladder drainage:EUS-GBD)が注目されている.対象は重篤な併存疾患や超高齢による外科的手術困難例,悪性胆道狭窄に対して金属ステント留置後に合併した胆囊炎などである.メタ解析などの報告からは手技成功率,治療奏効率ともに95%以上と高いが,偶発症発生率も約15%と決して低くない.また,超音波内視鏡下治療は通常「ドレナージ」目的に行われることが多いが,さらに瘻孔を介した治療も積極的に行われ,胆嚢炎においては瘻孔を介して胆石除去も可能である.まだ標準化されている手技ではないため,ガイドライン(TG18)にもあるようにハイボリュームセンターで熟練した内視鏡医が,外科や放射線科のバックアップを整えて行うべき手技である.
詳細
EUS-guided gallbladder drainage for acute cholecystitis (including stone removal)
土屋 貴愛 祖父尼 淳 石井 健太郎 田中 麗奈 殿塚 亮祐 向井 俊太郎 永井 一正 朝井 靖二 山本 健治郎 松波 幸寿 黒澤 貴志 小嶋 啓之 南 裕人 平川 徳之 中坪 良輔 浅野 響子 糸井 隆夫
東京医科大学臨床医学系消化器内科学分野