肝胆膵第83巻第4号

肝癌組織内肝星細胞のオートファジーと血清バイオマーカー

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  • 疋田 隼人(大阪大学)
  • 発行日:2021年10月28日
  • 〈要旨〉
    肝癌微小環境の形成には肝星細胞のオートファジー亢進が関与している.肝星細胞はオートファジーの亢進によりGDF15の分泌を増加させる.GDF15は肝癌細胞のGFRALの受容体を介してERKおよびAKTを活性化させ,細胞増殖を促進して肝癌を増大させる.GDF15は分泌蛋白であり,血清でも測定可能である.肝癌患者では血清GDF15濃度は高く,肝癌患者の中でも癌の進行度が進行した患者では血清GDF15の濃度は高く,血清GDF15が高い患者は予後が不良である.一方,GDF15は癌によるカヘキシアを誘発する蛋白としても知られており,非臨床試験においてGDF15の中和抗体は癌の悪液質改善効果を有することが確認されている.今後は肝癌微小環境および悪液質の両方の改善を目指したGDF15を標的とした肝癌治療の可能性が期待される.

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Hepatic stellate cell autophagy in hepatocellular carcinoma and its serum biomarker
疋田 隼人
大阪大学大学院医学系研究科消化器内科学