臨床精神医学第49巻第12号
水中毒と悪性症候群を合併し診断に難渋した 1 症例
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- 豐田 勝孝・他(大阪医科大学)
- 発行日:2020年12月28日
- 〈抄録〉
水中毒による低ナトリウム血症は慢性期の統合失調症患者においてしばしば認められる病態であり,遷延すると意識障害に陥り死に至ることもある。水中毒の治療についてはしばしば難治で有効な薬剤がないため長期間の隔離を余儀なくされることも多い。本症例は,意識障害のため救急搬送され,以前より存在した過飲水のため当初,水中毒による低ナトリウム血症を疑っていたが,悪性症候群が背景に存在し,迅速な診断により身体加療を速やかに行い症状が改善した。悪性症候群は抗精神病薬だけでなく精神科全般の薬物療法において避けては通れない重篤な病態である。本症例では軽微な筋強剛を見逃さなかったことで,迅速に対応し治療することができたが,悪性症候群に急性腎不全を合併する場合,死に至ることもある。今回,悪性症候群を迅速に診断するために本症例を複数の診断基準に当てはめ考察を行い,筋強剛に着目することで迅速な診断治療に至った。
詳細
A case report of neuroleptic malignant syndrome caused by chronic water intoxication
豐田 勝孝*1 大西 尚哉*2 山内 繁*1 木下 真也*1 高須 朗*2 金沢 徹文*1
*1 大阪医科大学神経精神医学教室
*2 大阪医科大学救急医学教室