臨床精神医学第49巻第12号

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  • 特集/BPSDとその対応
  • 発行日:2020年12月28日
  • 超高齢社会の進展する日本において,認知症は今や国民病と言っても過言ではない。認知症に対して根本的な治療法がいまだ確立していない現在,その中心は認知障害の進行を遅らせることと認知症の行動・心理症状(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia, BPSD)への対応である。認知症は神経内科,老年科,脳神経外科など,多くの科が関わる病態であるが,BPSDへの対応はやはり精神科領域が中心となる。日本精神神経学会では学会認定の「認知症診療医」制度を開始した。本稿では,BPSDの症候学について概説し,その上で,「精神科医が認知症を診る」という観点に立ってさまざまなPBSDに対する治療法・対応法,コツとポイントについて概説する。

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〈目次〉
BPSD概念の歴史的背景 大阪河リハビリテーション大学) 武田 雅俊
BPSDとは─認知症の中核症状と周辺症状─ (慶應義塾大学)文  鐘玉
物盗られ妄想とその対応 (大阪大学)石丸 大貴・他
嫉妬妄想・誤認妄想とその対応 (高知大学)上村 直人・他
幻覚とその対応 (香川大学)角 徳文
徘徊・迷子とその対応 (昭和大学横浜市北部病院)富岡 大
抑うつ・アパシーとその対応 (順天堂大学越谷病院)馬場 元
不安とその対応 (筑波大学)水上 勝義
怒り・衝動行為とその対応 (京都大学)谷向 仁
Senile breakdown─老年期隠遁症候群(いわゆる「ごみ屋敷症候群」)とその対応─ (東京都健康長寿医療センター)井藤 佳恵
食行動の問題とその対応 (東京慈恵会医科大学)品川 俊一郎
睡眠障害・リズム障害とその対応 (琉球大学)高江洲 義和
せん妄の併存とその対応 (慶應義塾大学)格谷 雅徳・他
介護ストレスへの対応と支援 (桜ヶ丘記念病院)色本 涼
研究報告
薬剤抵抗性若年ミオクロニーてんかんに対するペランパネル(PER)の有効性の評価 藤本 礼尚・他
短報
水中毒と悪性症候群を合併し診断に難渋した1症例 豐田 勝孝・他