臨床精神医学第49巻第12号

怒り・衝動行為とその対応

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  • 谷向 仁(京都大学)
  • 発行日:2020年12月28日
  • 〈抄録〉
    怒りや衝動行為は,介護者のみならず医療者にとっても対応に苦慮するBPSDである。これらは臨床現場において,焦燥感,攻撃性,易怒性,不穏,イライラなど多様な用語で表現されることが多く,安易に薬物療法や身体拘束の導入につながりやすい。しかしながら他のBPSDと同じように,怒り,衝動性は,認知症特有の症状としてのみで説明できるものではなく,多くの要因が関与して現れるものである。対応としては,苦痛となる身体症状や治療薬,療養環境,医療者の対応などについてまず評価されるべきである。そのうえで,認知症特有の症状がどのように関与しているのかを考え,非薬物療法をまず検討する。そして状況によっては薬物療法が許容されるが,この場合,効果と副作用の評価を丁寧に行い,使用は最小限,短期間にとどめ,常に中止の可能性について意識しておくことが大切である。

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Management of anger and impulsive behavior in dementia
谷向 仁*1,2
*1 京都大学大学院医学研究科人間健康科学系専攻
*2 京都大学医学部附属病院緩和ケアセンター緩和医療科