臨床精神医学第49巻第10号
医療機関と自助グループとの関係
電子書籍のみ

- 成瀬 暢也(埼玉県立精神医療センター)
- 発行日:2020年10月28日
- 〈抄録〉
自助グループは歴史的にアルコール使用障害からの回復を生み出してきた。特に重症の使用障害患者の回復には不可欠な存在であった。それが近年,断酒会は高齢化とともに会員数の減少が深刻であり,AAもかつての勢いはみられず,「ステップを踏む」という意識が希薄になっているように思われる。一方で,医療機関が実施する認知行動療法的プログラムやデイケアが広がりつつあるが,自助グループに代わるものではない。この数年,一部の医療機関がハームリダクションの考えを採り入れ始めたことで,自助グループとの間に確執が生まれており,医療機関は誤解がないように説明する責任がある。使用障害からの回復には,「信頼できる仲間」と「安心できる居場所」が必要であり,人に癒されるようになって初めて回復する。自助グループと医療機関は回復支援の両輪である。使用障害に対する社会のスティグマを排除し,回復を支援する社会にするため,より一層連携を深め回復支援を強化することが求められる。
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Relationship between Medical Institutions and Self-help Groups
成瀬 暢也
埼玉県立精神医療センター