臨床精神医学第49巻第10号

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  • 特集/アルコール使用障害の現在とこれから
  • 発行日:2020年10月28日
  • <企画趣旨>
     この10年,アルコール使用障害の現場を取り巻く状況は大きく変化している。まずは,ハームリダクションの導入である。断酒・断薬といった根本的治療だけではアルコールや薬物の問題が解決しないことが問題視され,「やめることだけにとらわれず,アルコールや薬物からの被害をさまざまな形で低減する」ことを目指したこの手法が,欧州から始まり多くの国々で用いられるようになった。わが国でも,2010年ごろから普及し始め,新ガイドラインには初めて減酒というハームリダクションの手法の一部が取り入れられた。他にも,2013年に制定されたアルコール健康障害対策基本法の制定,併存症の問題への取り組み,就労支援,無料ツールの作成,など現場レベルでのさまざまな対策が練られている。今回は,アルコール使用障害の治療や対策の今を紹介し,これからの展望も示していきたいと考えている。

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〈目次〉
アルコール使用障害の現在とこれから (幹メンタルクリニック)齋藤 利和・他
アルコール健康障害対策基本法のこれまでとこれから (慈圭病院)堀井 茂男
減酒治療 (国立病院機構久里浜医療センター)湯本 洋介・他
断酒治療の現在とこれから (長谷川病院)堀 達
医療機関と自助グループとの関係 (埼玉県立精神医療センター)成瀬 暢也
アルコール使用障害の地域支援からみえたこと (大阪府和泉保健所)西口 心
老年期医療の中のアルコール使用障害 (兵庫県立姫路循環器病センター)射場 亜希子
発達症とアルコール使用障害の治療や支援─発達症臨床の現場から─ (新泉こころのクリニック)朝倉 新
アルコール使用障害と精神科合併症の診断・治療 (国立病院機構さいがた医療センター)佐久間 寛之
アルコール使用障害の復職のタイミングで何を検討すべきか?─崖モデルの提唱─ (岡山県精神科医療センター)橋本 望・他
アルコール使用障害の就労 (リカバリハウスいちご)佐古 惠利子
教育におけるアルコール使用障害の啓発─啓発にも共感をもって多様な視点で取り組む─ (信貴山病院ハートランドしぎさん)長 徹二
アルコール使用障害治療の新しい取り組み─Serigaya Collaboration for Open heart Project(SCOP)─ (神奈川県立精神医療センター)小林 桜児
アルコール使用障害の治療で使える無料ツールの紹介 (慈圭病院)田中 増郎・他