臨床精神医学第49巻第7号

妊娠中の向精神薬使用による児の発達障害のリスク

電子書籍のみ

  • 伊藤 賢伸・他(順天堂大学)
  • 発行日:2020年07月28日
  • 〈抄録〉
    従来,妊娠中の向精神薬曝露による催奇形性(形態奇形)の問題が注目されてきたが,2010 年以降出生児の中長期的影響,いわゆる機能奇形に関する研究が,動物実験でも,ヒトを対象とするコホート研究でも数多く報告されるようになった。現状では,抗てんかん薬の中ではバルプロ酸の曝露により,出生児の知的障害や発達障害の発症のリスクを高めるとの報告が多い。抗うつ薬では,SSRIにおいては発達障害の発症リスクを上げるとの報告があるが,母親の精神疾患などの補正調整後や兄弟姉妹比較モデルによれば否定的とされている。一方,炭酸リチウムや抗精神病薬については,中長期的な影響に関する報告は極めて少ない。この問題は,中長期的な影響を検討するため,今後の研究については母親の精神疾患や喫煙などの交絡因子の補正調整が重要と考えられる。

電子書籍のご購入

1,324円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

Risk of developmental disorders in offspring following prenatal psychotropic drugs exposure
伊藤 賢伸*1 鈴木 利人*2
*1 順天堂大学医学部精神医学講座
*2 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院