臨床精神医学第49巻第7号

予定外の出産とその背景─貧困・暴力の世代間連鎖─

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  • 種部 恭子(女性クリニックWe TOYAMA)
  • 発行日:2020年07月28日
  • 〈抄録〉
    予定外の出産には,望まない性交によるものが潜在している。性交経験率の低下により10代の人工妊娠中絶および出産の絶対数は減少した。しかし,面前DVや身体的・心理的・性的虐待を受けてきた結果として生きづらさを抱え,心の傷や貧困に適応するためにリスクの高い性行動を選択し,大人からの暴力や性的搾取を受けた結果として妊娠するケースが目立つようになった。10代の妊娠の9割は予定外の妊娠であり,出産の約半数はいわゆる「できちゃった婚」である。時には出産に至る前に逃げられることもあり,10 代の出産の3割は未婚での出産である。「泣き」に堪えられず虐待・育児放棄に至るリスクが高く,貧困とも直結する。再び性産業での搾取を受けたり,依存した男性からDVを受けることもあり,出生した子どもにとってはさらに虐待のリスクが高まる。妊娠を契機に,暴力や貧困などの背景課題も含めて,福祉と連携して取り組むことが望まれる。

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Unintended birth and its background: Chain of poverty and violence
種部 恭子
女性クリニックWe TOYAMA