臨床精神医学第48巻第3号
現代の「アール・ブリュット」と日本の作品
電子書籍のみ
- 服部 正(甲南大学)
- 発行日:2019年03月28日
- 〈抄録〉
2018年後半のパリとローザンヌで,日本の「アール・ブリュット」を紹介する二つの異なる展覧会が開催された。それらは,1940年代後半にデュビュッフェが「アール・ブリュット」を考案した時期に紹介された古典的な「アール・ブリュット」の作品とは大きく異なるものである。現代の「アール・ブリュット」において日本の作品に注目が集まっているが,それは日本の福祉行政と西洋の「アール・ブリュット/アウトサイダー・アート」業界の利害が一致したためである。古典的「アール・ブリュット」でデュビュッフェが目指した「統合失調症患者のアート」という枠組みの解体が,現代日本の「アール・ブリュット」ではなぜ機能しないのかを分析する。
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Japanese art works in contemporary Art Brut
服部 正
甲南大学文学部人間科学科