肝胆膵第79巻第2号

小分子キナーゼ阻害剤と抗体薬の作用機序の違いに基づいた薬効の差異に関する考察

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  • 西尾 和人,他(近畿大学)
  • 発行日:2019年08月28日
  • 〈要旨〉
    REACH試験において,VEGFR-2抗体薬が,ソラフェニブの一次治療後に有効性を示したことについて,抗体薬と小分子化合物であるキナーゼ阻害剤の作用様式の違いが,臨床の効果の違いに影響を与えうるかを考察した.マルチキナーゼ阻害剤であるソラフェニブと異なり,ラムシルマブはモノクローナル抗体であり,標的に対する特異性は高く,標的が受容体であるため,天然リガンドの結合阻害が低濃度で示される.モノクローナル抗体の特異性が,off-targetがもたらすと考えられる副作用の低減をもたらし,高いrelative dose intensityの要因になった可能性がある.薬物の標的との親和性はともにnMオーダーと低く,作用の持続性に関する知見がなく考察することは困難であったが,薬物動態的にはIgG1抗体の特性である長い半減期と大きいAUCはラムシルマブの臨床効果の特性を説明しうる可能性が考えられる.

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Differential efficacy based on mode of action of kinase inhibitor and monoclonal antibody
西尾 和人 坂井 和子
近畿大学医学部ゲノム生物学講座