肝胆膵第79巻第2号

日本人肝細胞癌患者におけるラムシルマブの有用性

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  • 工藤 正俊(近畿大学)
  • 発行日:2019年08月28日
  • 〈要旨〉
    REACH試験は失敗に終わったが,REACH試験の日本人集団のサブ解析ではAFP 400 ng/mL以上の患者集団だけでなく,日本人の集団全体でOSの延長効果が認められた.また,REACH-2試験でも日本人集団のOS,PFSともにグローバル全体集団よりも良好であった.特に日本人集団のラムシルマブのdose intensityはグローバル集団の全体と同じ98%と高く維持されており,往々にしてグローバル全体集団よりも薬剤の減量を余儀なくされる高齢日本人患者においても十分忍容性がある薬剤と考えられた.REACH試験のなかのAFP 400 ng/mL以上の集団とREACH-2試験の集団はpooled解析においても日本人患者集団はグローバル全体集団より良好なOS,PFSを示し,安全性の面においてもグローバル全体集団と同等であった.したがって,本薬剤は高齢者の多い日本人患者においてはAFP 400 ng/mL以上の患者というしばりはあるものの,手術不能肝細胞癌において極めて期待の持てる有望な二次治療薬と考えられる.

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Efficacy of ramucirumab in hepatocellular carcinoma patients in Japan
工藤 正俊
近畿大学医学部消化器内科