肝胆膵第79巻第2号
費用対効果からみた肝癌に対するレンバチニブ治療
電子書籍のみ
- 小林 正宏（虎の門病院）
- 発行日：2019年08月28日
- 〈要旨〉
レンバチニブはREFLECT試験でソラフェニブに対する全生存期間の非劣勢と無増悪期間，腫瘍増加までの期間，奏効率において優越性を証明し，肝細胞癌の一次治療として広く使われるようになった．今回は費用対効果の観点からレンバチニブ治療の有益性に関する検討を行った．分割生存モデルを用いて治療開始から死亡までの患者の状態を解析した．腫瘍増悪後の治療や経過観察の方法は，日本の肝癌診療を反映するように4人の肝癌専門医からなるアドバイザリーボードでデルファイ法により意見集約した．レンバチニブはソラフェニブと比較しQALYが0.23上昇し，一方総医療費は406,307円減少し，費用対効果に優れた薬剤であることが推計された．
詳細
Cost-effective analysis of lenvatinib treatment for patients with unresectable hepatocellular carcinoma
小林 正宏
虎の門病院肝臓センター