肝胆膵第79巻第2号

  • 特集/進化する肝細胞癌の薬物療法―2019 Update(Part 1)
  • 発行日:2019年08月28日
  • 〈企画趣旨〉
     2007〜2016年までの10年間ソラフェニブ1剤のみの時代が長く続いたが、2017〜2018年までの2年間でレンバチニブ、レゴラフェニブ、ラムシルマブ、cabozantinibの臨床試験が成功し、既にレンバチニブ、レゴラフェニブは日本で承認され、臨床使用されている。また2019年にはラムシルマブも承認予定となっている。免疫チェックポイント阻害剤も単剤治療としては一次治療薬としてのニボルマブと二次治療薬としてのペムブロリズマブの第Ⅲ相臨床試験が進行していたが、ペムブロリズマブに関しては2019年2月19日、primary endpointであるPFS, OSともに満たさず、negativeな結果に終わったことがプレスリリースされた。しかし現在、免疫チェックポイント阻害剤とほかのチェックポイント阻害剤との組み合わせの第Ⅲ相試験や、抗VEGF抗体やTKIとの組み合わせの臨床試験が進行中である。本特集号ではup-to-dateな肝細胞癌薬物治療の最新のデータに基づき、各専門家にご解説いただくこととした。併せて薬物治療の進歩により、intermediate stage 肝癌の治療戦略が大きく変貌しようとしている現況についても述べていただいた。

書籍・雑誌のご購入

現在、こちらの商品は電子書籍のみの販売となります。

電子書籍のご購入

4,400円(税込)

決済方法:クレジットカード
ご購入には会員登録が必要です
電子書籍の返品はできません

カートに入れる

デモ版ご確認のお願い

初めて電子書籍をご購入される際は、事前にデモ版をご覧いただき、ご利用される環境での動作確認を行ってください。

デモ版を見る

電子書籍の閲覧にはインターネットに接続された環境が必要です。オフラインではご利用いただけません。

電子書籍の動作環境

お気に入り登録にはログインが必要

詳細

〈目次〉
〔巻頭言〕TME研究と次世代の肝細胞癌薬物療法の開発 山口大学名誉教授 沖田 極 
特別座談会
肝細胞癌の分子標的治療の現在(いま)と今後(これから) (司会)工藤 正俊(近畿大学)/池田 公史(国立がん研究センター東病院)/山下 竜也(金沢大学)/森口 理久(京都府立医科大学)
Ⅰ.レンバチニブ
REFLECT 試験のresponder解析の結果−分子標的治療の奏効は予後の規定因子である− 近畿大学 南 康範,他
REFLECT試験におけるレンバチニブの有害事象と予後の関連 広島大学 相方 浩,他
REFLECT試験におけるバイオマーカー探索 国立がん研究センター中央病院 森実 千種,他
レンバチニブにおける体重別用量設定の臨床的意義 国立がん研究センター中央病院 奥坂 拓志
費用対効果からみた肝癌に対するレンバチニブ治療 虎の門病院 小林 正宏
レンバチニブのreal-world data −RELPEC の大規模研究より− 愛媛県立中央病院 平岡 淳,他
レンバチニブのreal-world data −日赤グループの大規模研究より− 武蔵野赤十字病院 土谷 薫,他
レンバチニブの奏効とALBI Grade 近畿大学 上嶋 一臣,他
レンバチニブの奏効とSYNAPSE VINCENTによる簡便な精密画像解析 高松赤十字病院 盛田 真弘,他
レンバチニブ導入早期の肝性脳症の機序と対策 近畿大学 工藤 正俊
レンバチニブの有害事象対策 国立がん研究センター東病院 下津浦 康隆,他
Ⅱ.ソラフェニブ
Multi-MTA時代におけるソラフェニブの位置づけ 千葉大学 大岡 美彦,他
ソラフェニブの有害事象と予後の関係 国立病院機構九州医療センター 和田 幸之,他
ソラフェニブにおける奏効と予後の関係−SILIUS trial の結果より− 近畿大学 工藤 正俊
Ⅲ.レゴラフェニブ
多数の二次治療薬時代におけるレゴラフェニブの位置づけ 千葉大学 井上 将法,他
レゴラフェニブの効果予測バイオマーカー 岡山市立市民病院 能祖 一裕
レゴラフェニブとペムブロリズマブの併用療法のrationaleと試験デザイン 大阪市立大学 萩原 淳司
Ⅳ.ラムシルマブ
REACH試験の結果の解釈−REACH-2試験を含めて− 国立がん研究センター中央病院 近藤 俊輔
REACH-2試験の結果の解釈 金沢大学 山下 竜也,他
REACH(AFP>400 ng/mL)とREACH試験のpooled解析からわかること 京都府立医科大学 森口 理久,他
日本人肝細胞癌患者におけるラムシルマブの有用性 近畿大学 工藤 正俊
AFP<400 ng/mL症例におけるラムシルマブの有効性 近畿大学 青木 智子,他
小分子キナーゼ阻害剤と抗体薬の作用機序の違いに基づいた薬効の差異に関する考察 近畿大学 西尾 和人,他
ラムシルマブとほかの二次治療薬との使い分け 杏林大学 古瀬 純司
ラムシルマブはレンバチニブの二次治療薬として有効か 近畿大学 工藤 正俊
ラムシルマブの有害事象とその対策 国立がん研究センター東病院 林 康平,他
Ⅴ.Cabozantinib
CELESTIAL試験の結果の総括 金沢大学 荒井 邦明,他
日本におけるBridging phaseⅡのtrial design 横浜市立大学 沼田 和司,他
〔学会REPORT〕
米国臨床腫瘍学会消化器癌シンポジウム(ASCO-GI 2019)に参加して 高松赤十字病院 小川 力
第54回ヨーロッパ肝臓学会(EASL 2019) 愛媛県立中央病院 平岡 淳
第55回米国臨床腫瘍学会(ASCO 2019) 近畿大学 工藤 正俊