臨床精神医学第46巻第1号
研究報告 精神科デイケアにおけるアウトリーチ型ケースマネジメントの実装に関するプロセス調査─サービス量分析─
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- 山口 創生・他(国立精神・神経医療研究センター)
- 発行日:2017年01月28日
- 〈抄録〉
本研究は前向きのプロセス調査を通して,精神科デイケアにアウトリーチ型ケースマネジメントを導入した際のサービスの内容やその量の多寡について検証することを目的とした。研究参加者15名に対する12か月間のサービス提供回数は2,659回であり,サービス提供時間は188,028分(1対1換算サービス提供時間:84,957分)であった。最も頻繁に提供されたサービスは集団プログラムであった。個別サービスの提供時間について,支援内容では個別相談やケア会議,他機関との連携に多くの時間が費やされており,直接(対面の)サービスの提供時間は約85%であった。アウトリーチサービスの提供は一人あたり月平均約1回であったが,サービス提供時間は個別サービスの約40%を占めた。個別サービス全体における診療報酬外のサービス提供時間の割合は約50%であった。今後,精神科デイケアにおけるアウトリーチ型ケースマネジメントの効果や適切な対象,サービス頻度などの検証が必要とされる。
詳細
A process study for implementation of outreach-based case management in a psychiatric day-care −a service quantity analysis−
山口 創生1) 佐藤 さやか1) 松長 麻美1) 坂田 増弘2) 大島 真弓2) 武田 裕美2)
1)国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所社会復帰研究部
2)国立精神・神経医療研究センター病院