臨床精神医学第46巻第1号

エビデンスに基づくせん妄の診療

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  • 八田 耕太郎(順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック)
  • 発行日:2017年01月28日
  • 〈抄録〉
    せん妄の治療について,NICE(National Institute for Health and Clinical Excellence)ガイドラインでは「ハロペリドールあるいはオランザピンを最少量,最短の期間」との推奨であるが,現場の視点からは,半減期が長い両剤は睡眠覚醒サイクル障害を助長させることが少なくないため,高齢者のせん妄の第1選択に好ましくはない。急性発症の精神疾患ゆえに二重盲検ランダム化比較試験が極めて少ないせん妄の臨床では,現場の直観を排除してエビデンスのみにこだわると歪んだ結論が導かれる(エビデンス・バイアスト・メディシン)。それでも二重盲検のRCTのみに基づく精緻なアルゴリズムの完成を待とうとすれば早くて10年先といった時間が必要になる。それより薬理学的特性を考慮した専門医の経験に基づくアルゴリズムの方が現時点では有用と思われる。本稿では,現在までのエビデンスを最大限活用しつつも上記の視点をふまえたせん妄診療について概説した。

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Evidence-based clinical practice of delirium
八田 耕太郎
順天堂大学医学部附属練馬病院メンタルクリニック