臨床精神医学第46巻第1号

児童思春期症例に対する精神科リエゾン

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  • 三上 克央(東海大学)
  • 発行日:2017年01月28日
  • 〈抄録〉
    児童や青年は,身体的にも精神的にも発展途上であり,身体疾患(または身体化症状)により入院を余儀なくされた場合,情緒の安定を保てず治療環境への適応が難しくなることがある。このような身体疾患に関連する精神症状やストレス因子による身体化症状の評価と対応が,児童思春期リエゾン精神医学の大きな柱である。もう1つの柱は,自殺関連行動の評価と対応,特に総合病院の救命救急施設に搬送された自殺企図症例の評価と対応である。このように,児童思春期症例でも一般病棟と救急現場で精神科リエゾンは問題となる。一方で,児童思春期のリエゾン症例の頻度は10%に満たないことから,成人症例のようなリエゾン領域の細分化の必要性は乏しい。したがって,児童思春期リエゾン精神医学では,児童思春期精神医学の初期トレーニングを積んだ臨床医が,リエゾンに関わるすべての児童と青年を評価し対応できる研修システムを構築する必要がある。

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Psychiatric consultation for physically ill children and adolescents
三上 克央
東海大学医学部専門診療学系精神科学