臨床精神医学第46巻第1号
集中治療室における精神科リエゾン
電子書籍のみ
- 岸 泰宏(日本医科大学武蔵小杉病院)
- 発行日:2017年01月28日
- 〈抄録〉
重症疾患に対する病態理解や治療の進歩により,集中治療室(ICU)で治療を行う患者の救命率は著しく改善している。この中で,ICUせん妄ならびにPICS(Post Intensive Care Syndrome:集中治療後症候群)がICU退出後の患者のQOLに大きな影響を与えることがわかっている。ICUせん妄に関しては,薬剤による予防・治療には高いエビデンスはなく,せん妄のモニタリングを行いながらの非薬物療法的介入が重要である。PICSに関しても,やはりICUせん妄のマネジメントが重要となる。さらに,ICUでの記憶が心的外傷後ストレス障害やICU退出後うつ病と関連しており,ICUダイアリーなどの活用が試みられているが今後の研究が必要な分野である。今後のICUでの包括ケアのなかに,精神科医も積極的に関与していく必要がある。
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Consultation liaison psychiatry in ICU
岸 泰宏
日本医科大学武蔵小杉病院精神科