臨床精神医学第45巻第11号
うつ病の遷延状態を教えてくれた一例
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- 小島 卓也(大宮厚生病院)
- 発行日:2016年11月28日
- 〈抄録〉
うつ病は長期にわたって改善しない場合があり,現在臨床現場では問題になっている。筆者は45年前にこの遷延あるいは慢性うつ状態の治療を経験してそれ以来遷延うつ病に関心を持ちつつ臨床に臨んでいる。59歳の男性で軽うつ状態が数年にわたり持続し,心気的訴えと廊下に倒れるなどの神経症症状がみられ,治療に不信感を示していた。内的な葛藤の存在に気づき,電気けいれん療法後に環境調整を行い回復した一例である。この症例は,すでに精神経誌に発表した「遷延うつ病の臨床的2類型」の中の症例であるが,2類型の特徴,類型別ごとの治療法について詳しく説明した。
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A case showed us a chronic state of depression
小島 卓也
大宮厚生病院