臨床精神医学第45巻第11号

思春期やせ症の薬物漸増・漸減療法

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  • 浅井 昌弘(井之頭病院)
  • 発行日:2016年11月28日
  • 〈抄録〉
    今から35年位前のことである。14歳で中学2年の女性(体重21.5 kg)が全身衰弱状態で入院し,筆者が担当医になった。当初は点滴と経鼻的胃管や幼児食で体力回復を図った。入院後6か月間は向精神薬を用いずに体重30 kgにはなったが,さらなる回復を目指して1年間休学し抗精神病薬の漸増・漸減療法を行った。服薬開始後約6か月で体重37.5 kgにて退院し外来通院とした。退院後約7か月で体重42 kgとなり薬物を減量して月経も回復し中学3年に復学した。その後1年間経過を観察して16歳で体重52 kgとなり月経も順調で治療を終了した。このような症例を経験したことは筆者にとって忘れ得ない印象を残したので,ここに治療経過を記述して若干の考察を加える。

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Gradually increasing and decreasing doses treatment for addictive thinness of adolescence
浅井 昌弘
井之頭病院