臨床精神医学第54巻第3号
子どもの神経発達症の幻覚体験,imaginary companion
電子書籍のみ

- 辻井 農亜(富山大学)
- 発行日:2025年03月28日
- 〈抄録〉
幻覚は子どもにおいては存在したとしても一過性であることが多いが,あらゆる精神疾患の発症や自殺のリスク因子とする考えがあり,子どもの神経発達症に幻覚を認める場合には精神疾患の発症リスクが高い状態と捉えることもできる。神経発達症をもつ子どもにみられる幻覚やイマジナリーコンパニオンを評価するには,その神経発達症特性の存在のもとではどのように理解されるのかといった状況の把握と理解が必要になる。対応については,強い感情的な体験や不安への介入やストレスの多い状況を軽減するための介入を行い,これには家族や教師を含む周囲への症状説明や環境調整を含む。抗精神病薬を中心とした薬物療法の効果は乏しいと考えられている。神経発達症をもつ子どもに幻覚またはそれに類似した体験を認めるとき,一般的な精神科臨床評価法に加え,神経発達症特性がどのような影響を与えているのかについての精緻な臨床評価が必要となる。
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Hallucinations in children and adolescents with neurodevelopmental disorders
辻井 農亜
富山大学附属病院こどものこころと発達診療学講座