臨床精神医学第54巻第3号

睡眠関連幻覚の病態

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  • 井上 雄一(東京医科大学)
  • 発行日:2025年03月28日
  • 〈抄録〉
    夜間睡眠時間帯には暗所での視覚情報遮断下で,精神病性の幻覚も生じやすいが,この時間帯のみに限局する睡眠関連幻覚(SRH)が出現することがある。SRHは,主に入眠時・出眠時幻覚(HHH)と複雑性夜間幻覚(CNVH)により構成され,症状頻度の高い症例では健康被害が生じる。HHHは睡眠覚醒移行期の症状であり,生理現象の一環として一般人口で高頻度に生じ得るが,レム関連障害であるナルコレプシーと睡眠麻痺ではより高頻度である。CNVHは夜間中途覚醒時に視覚野が活性化されることにより生じるもので,シャルルボネ症候群と似ているが,レム睡眠機構との関連性が示唆されており,レム睡眠行動障害に随伴することがある。SRHの治療にあたっては,睡眠衛生の改善とともに,睡眠-覚醒移行の促進,入出眠時へのレム睡眠混入の抑制,悪夢の低減を目指した治療薬が選択される。

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Pathophysiology of sleep related hallucinations
井上 雄一
東京医科大学睡眠学講座