臨床精神医学第54巻第3号
てんかんと幻覚
電子書籍のみ

- 原 広一郎(浅井病院)
- 発行日:2025年03月28日
- 〈抄録〉
てんかんをもつ人に生じる幻覚は,てんかん発作症状自体である場合と,併存する精神病の症状である場合とに大別すると把握しやすい。てんかん発作として出現する幻覚は,主に焦点意識保持発作に伴う視覚,聴覚,体性感覚,嗅覚などの症状が含まれる。非けいれん性てんかん重積状態に伴う場合は脳波検査や意識レベルの評価などをふまえた慎重な検討が必要である。てんかん発作による幻覚は,患者自身が幻覚症状を客観的に認識できていることがほとんどであり,精神病に伴う幻覚症状との鑑別点となり得る。一方,てんかんに併存する精神病による幻覚は,てんかん発作後比較的早期に出現する幻覚(発作後精神病),発作間欠期の幻覚(発作間欠期精神病),発作抑制と交互に出現する幻覚(交代性精神病)によるものが代表的である。いずれの場合も,てんかん発作と精神症状出現との時間的関係の把握が重要となる。
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Epilepsy and hallucination
原 広一郎
医療法人静和会浅井病院