臨床精神医学第53巻第11号
神経変性疾患に対する医師主導治験─球脊髄性筋萎縮症に対するリュープロレリン酢酸塩治療─
電子書籍のみ

- 橋詰 淳・他(名古屋大学)
- 発行日:2024年11月28日
- 〈抄録〉
球脊髄性筋萎縮症は,通常成人男性のみに発症する緩徐進行性の筋萎縮・筋力低下を特徴とする神経筋疾患で,一般に神経変性疾患に分類される。1897年に川原汎が球脊髄性筋萎縮症の兄弟例を世界で初めて報告し,その後,瀧川晃一が,X連鎖潜性遺伝形式をとることを明らかにして以降,名古屋大学では盛んに研究が進められてきた。特定の神経が進行性に変性・脱落する神経変性疾患に対する薬物療法はほとんどなく,その一部に症状改善薬が存在するのみであったが,近年の分子生物学的発展が,各疾患の分子病態の解明を促進し,疾患修飾療法の開発も推し進めてきている。球脊髄性筋萎縮症においても,アカデミアにおける基礎的実験の結果に基づくトランスレーショナルリサーチが2002年から医師主導で行われ,2017年に薬事承認まで取得した。現在は,リアルワールドでの有効性・安全性を検討するための製造販売後臨床研究を実施中である。
詳細
Investigator-initiated clinical trials for neurodegenerative diseases -leuprorelin acetate treatment for spinal and bulbar muscular atrophy-
橋詰 淳*1,2 勝野 雅央*1,2
*1名古屋大学大学院医学系研究科臨床研究教育学
*2名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学