臨床精神医学第51巻第7号
総合病院におけるアスリートのメンタルヘルス支援と健康スポーツ科学における精神科診療
電子書籍のみ
- 山口 達也(慶應義塾大学)
- 発行日:2022年07月28日
- 〈抄録〉
近年アスリートが抱えるメンタルヘルス上の問題が注目され始めている。その中で慶應義塾大学病院ではトップ~愛好家までさまざまなレベルに対応する目的でアスリートメンタルサポート外来をスポーツ医学外来にて2016年より開設,診療開始した。総合病院の特徴を活かし身体面のケアと同時進行で行える点がアスリートへの利点の一つとなっている。精神科一般臨床能力を前提としてアスリート診療支援の際には留意点がある。一つはアスリート自身とコーチを中心としたスポーツ関係者のメンタルヘルスリテラシーを高める診療をすることである。二つ目は特性上,関係者に知られたくない状態での受診も多いことから,アスリートに配慮して心理支援職・関係者との適切な連携を図ることである。総合病院内では健康スポーツ科学面において精神医学の貢献できる場もある。その点とアスリート診療の両方の視点を持った精神科育成プログラム構築が国外と同様に今後求められる。
詳細
Mental health support service for athletes and psychiatric care in health and sports science at a general hospital
山口 達也*1,2,3
*1慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センター
*2慶應義塾大学スポーツ医学研究センター
*3慶應義塾大学医学部精神・神経科