臨床精神医学第51巻第7号

アンチ・ドーピングと精神医学

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  • 上里 彰仁(国際医療福祉大学)
  • 発行日:2022年07月28日
  • 〈抄録〉
    アスリートにおけるADHDの有病率は一般成人の有病率より高いと考えられている。その説明として,ADHDの子が衝動性の発散のためにスポーツに誘導され,またスポーツが自己肯定感を養い,自己実現の機会となるため,より長く続けることによってレベルの高いアスリートが育つという考えがある。一方でADHDの治療薬である精神刺激薬はパフォーマンスを向上させる可能性があるため,WADA(世界アンチ・ドーピング機構)によって禁止物質に指定されている。精神刺激薬がアスリートの健康向上に必要な治療である場合は,TUE(治療使用特例)を申請することにより競技会での使用が可能になる。TUE申請においては,ADHDが適切な臨床的証拠に基づく診断であること,その薬剤がADHDに対する適応治療であり,禁止物質以外の物質に代えられる治療方法がないこと,健康を取り戻す以上に競技力を向上させないこと,そしてドーピングの副作用に対する治療ではないこと,を説明する必要がある。

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Anti-doping and psychiatry
上里 彰仁
国際医療福祉大学医療福祉学部