臨床精神医学第50巻第1号

摂食障害の脳機能画像

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  • 岡本 百合(広島大学保健管理センター)
  • 発行日:2021年01月28日
  • 〈抄録〉
    近年,脳機能を可視化する機能的MRI(fMRI)などの技術が進歩し,摂食障害の病態解明に向けてさまざまな研究がなされている。摂食障害の脳画像研究は,Anorexia nervosa(AN)における脳の構造学的研究から始まった。その後,賦活課題遂行中の脳活動についての研究が続いた。摂食障害特有の認知に焦点を当てた食物刺激や身体イメージ刺激による活動性の変化をみる研究によると,島,扁桃体,前頭前野の役割が大きいことが示唆されたものの,まだ一致した見解には至っていない。最近では,外的刺激による反応ではなく,安静時にも自発的脳活動がみられることに注目し,fMRI測定により機能的結合を評価する研究が行われるようになった。内側前頭前野を中心としたデフォルトモードネットワーク(DMN)などの脳内ネットワークについて研究がなされているが,結果はさまざまである。その背景として,対象の多様性(身体状況,病歴,併存症など)が考えられ,それをクリアにしてデータの信頼性を高めていくことが今後の課題であろう。摂食障害の神経基盤が解明されれば,適切で効果的な治療につながることが期待できる。また,最近ではニューロフィードバックや非侵襲的刺激法といった新しい治療も出現してきた。その効果にも期待したい。

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Neuroimaging in eating disorders
岡本 百合
広島大学保健管理センター