臨床精神医学第50巻第1号

摂食障害と自閉スペクトラム症

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  • 作田 亮一(獨協医科大学埼玉医療センター)
  • 発行日:2021年01月28日
  • 〈抄録〉
    小児期から発症する摂食障害が増加し,臨床的にも従来の治療では困難な例も報告され,背景にある発達特性にも注意を向ける必要があると考えられる。ASDがANと同様の体重へのこだわり状態を示すことは1980年代より症例報告として散見され,Baron Cohenらは摂食障害女性はAQ質問紙による自閉得点が高いとし,Hukeらは,摂食障害患者のASD有病率は8 ~ 37%と高いことを示した。日本でも約10%併存するとの報告がある。ASDの特性と摂食障害との関連性では,いわゆる重ね着症候群説がある。神経心理学的研究では,ASD特性と摂食障害の共通点として,実行機能障害,中枢性統合障害,社会性・共感性障害の3領域における障害,特に認知的柔軟性のなさ(set shifting)の障害が指摘されている。小児に多いやせ願望を示さない回避・制限性食物摂取症(ARFID)とASD併存について自験例を提示した。今後,ASDが併存する摂食障害の治療方略の科学的検討が不可欠であろう。

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Eating disorders and Autism spectrum disorder
作田 亮一
獨協医科大学埼玉医療センター子どものこころ診療センター